2014年5月19日月曜日

世帯貯蓄額の基準は735万円。2013年家計調査

0:54 Posted by ごんご
総務省は5月16日に、2013年の家計調査報告(2人以上の世帯)を発表。これを受けて時事通信からニュース媒体各社に「世帯貯蓄、平均1739万円=株高で過去最高—13年家計調査」という記事が配信され、Yahoo!TOPにも掲載され注目されました。

 それと同時に、多くのネットユーザーからは「1739万円」という金額についてやや懐疑的なコメントが見られました。後追い記事としてYahoo!のグループ会社であるニュースサイト<THE PAGE>では、「平均貯蓄1739万円ってホント?実は100万円未満が多かった」という記事をアップし、これもYahoo!TOPに掲載され、アクセスを伸ばしASKAの逮捕記事を押さえて1位を獲得。ヤフコメにも1250件の書き込みがありました(5月18日24時まで)。


 お金に関しては「厭らしい」という建前から表立って話題にされないし、しないほうが良いことを多くの人が分かっていると思います。そのためお隣さんがどのくらいの貯金をしているかわからないので、「我が家の貯蓄額は世間一般から比べて多いの?少ないの?」と、国民的人気歌手の逮捕劇よりも気になるわけです。そこで国が公開する家計のデータは気になる世間一般のお財布事情が分かる貴重な資料になるわけです。
 

■貯蓄額の本当の基準は735万円■

 自分の年収や貯蓄を他者と比較するとき、多くの人は「平均値」を考えがちになるが、資産などを対象とする場合は「中央値」で比較したほうが現実的です。

 例えば月額給与が30万円で、年に2か月分の賞与がある人の場合、年収は420万円。このくらいの年収の人はたくさんいそうです。ですが、現実には1億円稼ぐ人もいれば10億円、100億という人たちがいます。420万円の人が100人いたって4.2億です。平均を計算すれば"普通の家庭"以上の額になってしまいます。
 「中央値」で考えてしまえば、人数でちょうど真ん中にいる人の値を取るので、より"普通""一般的"な値になります。


例えば極端ですが、以下の場合は平均値は750になりますが、中央値は130です。

100
120
130 ←中央値
200
1000


 さらに、調査では現役で働いている人がいる世帯(勤労世帯)の数字が出ており、この勤労世帯の貯蓄額の中央値が735万円です。貯蓄額を気にする方は勤労世帯という勝手な判断にはなりますが、この数字を基準に考えてはいかがでしょうか。なお今回の調査における数字は全て
2人以上の世帯を対象としているので、そのことを考慮して判断されることをお勧めします。


【参考】
「家計調査報告(貯蓄・負債編)平成25年(2013年)平均結果速報」 (出典:総務省統計局)